ひかりのなかに 、に感じていた違和感が「トーキョー最前線」を聴いてはっきりした

  • 2020年5月26日
  • 2020年7月11日
  • コラム
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 2018年の渋谷JACKで偶然見てから、個人的にすごく応援している。あんなに何も知らずに行ったのに心を掴まれたライブというのはそうない。それから今までの間に、5回くらいはライブを見てる。

 ひかりのなかにはこのサイトの少ない記事数の中にも3度目の登場、金もらってるわけでもないのに頻度としては多すぎだ。結局は「ライブよかったよ」以上のことは言えてないんだけども。

 ここまで応援してるんだよ、好きなんだよ、という予防線を張ったところで、今回は手放しに褒める記事ではない。ポジティブな内容の方が良ければ前に書いたやつだけ読んで満足してほしい。

 まだ知名度は低いのでレビュー系の記事はあまり見かけないし、SNSでもわざわざコメントする人たちは褒めているものばかり、ひかりのなかに史上最初のクレームに記事になってしまうかもしれないけど、好きなので許してほしい。

小さいことだけど大事だと思うんだ

 ちょっと前に『舞台裏』という曲が好きだという話をしたばっかりなんだけど、ひかりのなかにの最新作「トーキョー最前線」がリリースされたのでそれも聴いてみた。

 1枚目のアルバムでもなんか違和感があるなと思う部分はあったんだけど、それは音に関してと結論づけた。今回はそこじゃない、歌詞についてだ。結論から言うとこう

 現実感が、、ない

 ひかりのなかに、の書くテーマは限られている。学生生活で感じてきた友情や恋愛、もしくはバンドとしての夢や日常だ。そんなのは当然なことで、僕だって高校時代は部活とほんの少しのバイトだけが世界の全てだった。

 もうちょっとバンド自体のイメージ戦略が違っていれば良いんだけど、今のところ「現役高校生バンド!」みたいなところが先行して見えている。まあもう卒業しちゃったとはいえ、若さ、遠慮なく言えば子供っぽさを押し出している中で、書いている歌詞が大げさすぎると思うのだ。

 難しいのが、あまりにも早く結果が出ていると言う点で、若干暗めな高校生活を送っていたのかもしれないとは感じるけど、バンドとして売れずに苦しんだ時期なんてほとんどないわけで、夢を追うんだ、売れてやるんだ系の歌詞に説得力がなくなってしまった。

 そして一番気になっているのが言葉選びの部分
え、そんな単語、日常生活で出てこないでしょと思える部分に引っかかって、詞の全体が濁ってしまう。

 例えを上げると

I wanna be 理想は遠くて
暗中模索のその先はどこ?

ナイトライダー / ひかりのなかに

蜃気楼の先のユートピア
やむことのない雨が冷たくて
うじうじして逃げ腰の自分に
不貞腐れている毎日です

かくめい / ひかりのなかに

流星群に飛び乗って
それでも歌うというならば

はやぶさ / ひかりのなかに

 最初の3曲だけでもれなく一つずつは出てきてしまったのでこのくらいにしておく

「暗中模索」、「蜃気楼の先のユートピア」、「流星群に飛び乗って」

 なんかここあたりのフレーズが気になって仕方ない。もっと簡単な表現をした方が、いわゆる「等身大」さが出ると思う。というか今のひかりのなかにが上で挙げたような言い回しをすると、音楽の授業で歌詞を書けと言われてそれっぽいのを仕上げました、ように感じてしまう。先輩アーティストたちに追いつきたいあまり、背伸びしすぎて見えるのだ。

 伝えたい思いはあるんだろうし、言いたいこともわかるんだけど、ほんのちょっとの言葉選びのせいで、一気に現実感がなくなってしまっている。本当にもったいない。

 もっと普段使いの言葉で熱い思いを伝えてほしいし、実は結構な文学少女であの手の語彙力は当然だというのなら、もう少しそう言ったキャラクター性を打ち出して行った方がいい。SNSだったり、インタビューだったり、CDのジャケットや歌詞カードに至るまでの細部で表現すべき。パッケージとパッケージに沿った商品じゃないとなかなか受け入れてはもらえないから。

2枚目リリースおめでとう

 ここまで気になってしまった細かい部分について言及してきたから、最後にフォローがてら良かったところ

 だいぶ演奏は安定してきたなあと思うし、ベースの音も大きくなっていて今までよりいろんなフレーズに挑戦するようになっていたように思う。いろんな曲調を試そうとする姿勢も見えたし、一枚目は緊張していたのか若干震えるように聞こえていた歌声も、力強さがあった。

 もっと順調に持ち曲増やして、ワンマン2時間行けるようになってほしいなと思ってる。一度ライブを見た人はきっと惹きつけられてしまうから、フェスなんかでの集客も増えていくのが楽しみだ。

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