2019年の開催を持って20回目を迎えるROCK IN JAPAN FESTIVAL
近年のフェスブームを牽引してきたこのフェスも力を失ってきている。
これで・・・20周年!?
長いこと3日間開催で行われていたロッキンは、15回目となる2014年より週を跨ぐ4日間開催となっていた。それが今年、20周年の記念開催であり、山の日による振替休日で3連休ができたことで、史上初の5日間開催と銘打たれる回となる。
フジロック、サマソニ、ライジング、ロッキンと大きなロック・フェスの成功を受け、今や大なり小なり違いはあるけどフェスが乱立している状態だ。ちゃんと調べたことはないけれど、おそらく探せば毎週末どこかでフェスが開催されている。
去年のロッキンの開演前の挨拶で社長の渋谷陽一が「次の30年記念の時に自分はもうこのポジションにはいないだろうと思っている」という趣旨の発言をしていたこともあり、今年への気合いの入りは相当なものだろう。と思っていた。
この手の音楽フェスに求められているものはなんだろうか。どうすれば参加者は喜ぶのだろうか。ロッキンの追求してきた快適さ、安全さは確かに高いレベルにはあると思う。ロッキンに行ってトイレに困ったことはない。様々な装飾もみんなの気持ちを盛り上げるのには一役買っているし、ステージ以外の部分もイベントの質を高めるためこだわっているその姿勢はとても好きだ。でもやっぱり、一番の期待はブッキングだ。どんなアーティストが出演するのか。中心はそこなのだ。そして今年。ラインナップは期待通りだったと言えないものだった。
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大小たくさんのステージがあり、もちろん話題のアーティストも小さいステージだけど好きなアーティストももちろんいる。でもやっぱり、今年のアーティストは豪華だなあと感じさせるのは一番大きなGRASS STAGEのアーティスト。もっと言えば、トリを任せられる人気も知名度もあるアーティストだ。
このくらいの人たちに来て欲しかったなとすぐに思いつくだけでこのくらいはいた。
ASIAN KANG-FU GENERATION
ELLEGARDEN
サカナクション
back number
MAN WITH A MISSON
NUMBER GIRL
RADWIMPS
ONE OK ROCK
まあ、この並びに異論や不足はあるとして、言いたいことはわかると思う。
呼べなかったのか呼ばなかったのかはわからないが、どうしても20周年の冠の下では物足りなく感じてしまう。去年はサザンオールスターズが出てたしね。しかもサプライズ的な発表で。サザンがロッキンにふさわしいかどうかはともかく、ネームバリューではこれ以上ないほどだし、実際に行ってみたら本当に凄かった。長く第一線で活躍している実力は本物で、サザンだけでチケット代の元が取れたんじゃないかと思えるほど。
今年はああいったインパクトが全くない。ラインナップだけを見て、これが周年記念だなんて絶対に思わない。トリもセカオワ、10-FEET、バンプ、ウーバー、ドラゴンアッシュて、何年前の品揃えだよ。
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一番気にくわないのがDragon Ash。そりゃ初年度からずっと一緒にやってきたっていうのはわかるけどさ、そのなんていうか、今の人気とか勢いとか全部無視して人情友情だけでの大トリ抜擢っていうのは内輪ネタ感が強いんだよね。20万人が置いてけぼりの肩透かし感。予想は出来ていていたから驚きではなかったけど、このタイムテーブルに喜んだ人は果たしていたのだろうか・・・
文句なしのラインナップで共にロッキンを育ててきたドラゴンアッシュが大トリです!なら納得するし、むしろなんかいい話なんだけどさ。
フェスっていうのはアーティストにとっては、ワンマンに集客するためのPR的な意味が強いから、メジャーになったアーティストほど、さほどギャラも出ないのにわざわざ出る必要がないなんてことはわかる。それでも有名になったら出なくなっていくバンドが多かったり、他のフェスには出ているのにロッキンには出ていないバンドを見ると、ロッキンはちゃんと関係を築けてこなかったんだなって感じる。方向性も変わっていて、アイドルが増えたりYouTuberが出たりするようになった。ロックバンドとして走ってきた人たちはその辺にも違和感を覚えているのだと思う。
きっと社長が変わっても、この流れは変わらない。残念だけどロッキンが中心だった時代はもう終わってしまった。そんな寂しい気持ちを胸に夏を迎える。
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